庭園の様式1
王侯、上流階級の専用であった花卉園芸文化が下降して中流階級におよぶとき、民衆が中流意識をもっておれば、急速に広く民衆に普及することになるわけである。
なにしろ庭に花や庭木を植えることは、外周庭園をもつ日本の住居では、支出をともなわずに貧しい者でも楽しむことができたのである。
ここで重要なことは、花卉園芸文化が上流社会から中流、下流へと降下するとき、園芸文化の基本的部分に大変化がおこることである。
上流では花や庭木の世話は召使や庭師のすることで、自分はただその結果を見ておればよかったが、中流、下流では自分でその世話をやらねばならなかったのである。
花 種や庭木を育てることは、自分の子どもを育てることにも似て、年月を要し、かなりの苦労がつきまとうことである。
その代り、育てる過程の中にそれなりの楽しみ、喜びもある。